帯締めは、結んだ帯のカタチを保つためのものですから、強さのあるしっかりとしたものです。
普通のお太鼓に結ぶ場合も、振袖などの飾り結びも、帯締め1本で保っていると言ってもいいほど重要なものなんです。
浴衣を着る時や、普段の着物には半幅帯を使うことが多いですが、半幅帯に帯締めを使っている場合は、飾りの目的で使うことが多いですね。
帯締めは帯に次いで和装には欠かせない小物ですが、帯締めにも色んな種類があり、夏冬で違うタイプを使うこともあるのです。
帯締めを季節に応じて選ぶポイントを含めて、帯締めの基本をご紹介します。
帯締めの種類とは?
帯締めは、帯が崩れないように支えるものなので、見た目がキレイなだけじゃなく、強度も必要なので、組んだ紐で作られるものがほとんどです。
平たい状態に組まれた平打ちと呼ばれる平組と、丸い形状で組まれ丸組の2つのタイプが主なものです。
平組にも丸組にも、様々な種類があります。
あまり出回っていませんが、角組という四角い形状に組まれた帯締めもあります。
これらの組紐で作った帯締めの他に、綿を入れて布でくるんで紐状に塗った丸くげという帯締めもあります。
丸くげは、カジュアルな普段着物や浴衣の飾りなどに使うことが多く、価格もお手頃です。
帯締めはシーン別で選ぶのが基本
帯締めは平組よりも丸組の方が結んだ時に自然に形が整います。
なので丸組の方が初心者向けだと言われます。
平組の帯締めは、結び方の手順を間違えるとキレイな結び目が作れないので、練習が必要かも知れませんね。
組紐の形状が平らでも丸くても、共通するのはシーンに合わせて選ぶことです。
例えば結婚式などに着る留袖には、合わせる帯も金糸や銀糸をあしらったボリュームのある袋帯を使います。
その場合に使う帯締めは、帯に合わせて表裏のどちらかが金銀の豪華なものを使わないとバランスが取れません。
そして帯のボリュームを考えて、幅も太いものを選ぶものです。
礼装の時の帯締めに適しているのは、平組のものなら高麗組が最適です。
密に組まれていて、とても高級感があります。
丸組の場合は、厚みがあり、帯のボリュームに負けない奈良組が適していると思います。
平組よりも丸組の方がアレンジした結び方がしやすいので、若い人は丸組を好む傾向があります。
夏の着物に合わせる帯締めの選び方
組んで作る帯締めは、基本的にオールシーズン使えます。
冠婚葬祭の礼装用、訪問着や付け下げなどの外出用、普段着物とシーンによって使い分ければ問題ありません。
ですが、夏の着物には帯も夏帯を使います。
呂や紗で織られた涼しげな夏着物に合わせるので、帯も風通しの良い素材を使った麻、呂、紗、羅など見た目も涼しげなものを使う季節です。
そんな夏帯に合わせやすいレース素材など使った、季節感を演出したものが出てきました。
夏の暑い盛りには、着物よりも浴衣に半襟をつけて着物風に着こなす人も多いので、そのような夏の和装にはレース組の夏用の帯締めをしても素敵でしょうね。
冬の着物に合わせる帯締めの選び方
組紐で作る帯締めは、基本的に季節を問わないものなので、冬用の帯締めはとくにありません。
夏よりも選択肢は広がると思います。
冬は夏よりも着物のおしゃれを楽しむ幅が広がります。
帯締めに季節感演出した帯留めを合わせるなど、楽しみ方は沢山あります。
帯締めの扱い方のワンポイント
帯締めは帯が崩れないようにする大切なものですが、帯締めの端ふさの扱い方がきちんとできていないと困ります。
帯締めを結んだあとは、両端のふさを帯締めに挟んで処理しますが、これをのし袋などにつける水引と同じと考えて扱うようにしましょう。
お葬式やお通夜、法事の時にはふさの端が下がるように挟みます。
逆にお祝い事は両端のふさが上に向くように挟みます。
普段は右と左で上向きと下向きにします。
着物の着方も流派みたいなものがありますが、ファッションは自由なので、あまり堅苦しく考えずに自分なりにアレンジしてもいいのです。
冠婚葬祭の時だけ、少し気を付ければ問題ないでしょう。
まとめ
帯締めと帯留めの組み合わせは、アクセントになるので、実用面だけじゃなく、おしゃれアイテムとして選ぶ楽しみがあります。
夏用と冬用で着物や帯は衣替えが必要ですが、帯締めは一年を通じて使えるものなので、色や素材で季節を演出して楽しんでください。